【令和6年】火災保険の不払いは本当にある?払い渋りを受けないために!

「火災保険に加入しているけど、万が一のときに不払いにあって、給付金がもらえなかったらどうしよう」
「給付金不払いのニュースを見たことがあるけど、今加入している保険会社は大丈夫だろうか」

あなたが現在火災保険に加入しているのであれば、こういったことが気になるかもしれません。

たしかに、給付金の不払いが新聞やニュースで報じられたことはありますし、状況によっては火災保険を申請しても給付金がもらえない可能性があるのは事実です。

そのため、以下のようなことが気になるのは当然と言えるでしょう。

今加入している火災保険は、不正な不払いをせずきちんと給付金を支払ってくれるのか?
いったいどんな状況だと、給付金が支払われない可能性があるのか?

そこで、この記事では給付金が不払いになる理由や、不払いになる理由ランキング、よくある不払い事例などについて解説します。さらに、火災保険の不当な不払いが存在するのかや、存在するのであればどのくらいの割合で発生しているのかも解説していきます。

この記事でわかること

火災保険の不払いについて
・不払いの対処法について
・給付金の払い渋りを受けない方法について

目次

火災保険の不払いは本当にある?

火災保険の不払いは本当にある?

そもそも、火災保険の不当な不払いは本当にあるのでしょうか?
結論からお伝えすると、多くの人がイメージする火災保険の不払い問題は発生していません。

たしかに、2005年に朝日新聞で40億円の給付金の不払いが報じられたことがあります。このときの報道では大手5社の保険会社が、12万件の契約者に対して、合計40億円の給付金の支払いをしていなかったとの内容が発表されました。

こういった話を聞くと「今加入している保険は大丈夫?」と心配になるのは当然ですが、この際に報じられた「不払い」は生命保険の話であって、火災保険の不払いではありません。

火災保険契約においては、本来給付金を支払うべき損害に対し、不当に請求が退けられたことは過去に起こっていません。

火災保険の不払いの基準

ここまで説明した通り、火災保険会社は不当な不払いでの問題は起こっていません。

ただし、火災給付金の不払いが一切起こらないかと言えば、残念ながらそうとは言い切れません。損傷個所に対して給付金を請求したにもかかわらず、申請内容が却下され給付金を受け取れないということはありえます。

保険会社では、契約者から給付金の請求があった場合、申請内容が給付金を支払う基準を満たしているか否かを審査します。その結果、申請内容が給付金の支給対象としてふさわしくないと判断された場合、契約者の要求が通ることは無く不払いとなってしまうのです。

また、近年はこれから説明する理由により、保険会社の審査基準が厳しくなっており、その結果不払いになってしまうことが珍しくないようです。

保険会社が給付金を不払いする理由

保険会社が給付金を不払いする理由

具体的に保険会社が不払いとなってしまう理由としては、以下の3つが挙げられます。

・自然災害の増加
・給付金支払いの増加
・悪徳業者の増加

自然災害の増加

まず、自然災害の増加は不払いや払い渋りの大きな理由になっていると考えられます。自然災害による損害は火災保険の補償対象なので、自然災害が多くなると保険会社の負担が大きくなるからです。

たとえば、全国の1時間の降水量は、50mm以上の大雨は30年前と比較し約1.4倍に増加しています。その結果、必然的に給付金の請求件数は増えて、その分保険会社が支払う給付金が多くなっているのです。

そのため、保険会社は経営を成り立たせるために出費を抑えるために、給付金を出す条件を厳しくしています。

具体的には、鑑定人による評価基準を引き上げることで、過去には給付金が降りていたような損傷でも却下したり、給付金額を下げたりして対応しているようです。

火災保険給付金支払いの増加

ほかには、給付金の支払い金額増加への対応策として、保険料の引き上げも段階的に行われています。

実際に、2021年の1月に保険料は引き上げられ、2022年10月には火災保険料金が過去最大の平均10.9%引き上げられました。

やはり、火災保険料の支払い金額が増加しており、給付金の支払い金額を抑えるだけでは経営維持が難しいため、保険料を引き上げざるを得ない状況なのでしょう

悪徳業者の増加

また、火災保険を利用した悪徳業者が増加しているのも、不払いの原因と言えます。

悪徳業者は火災保険契約者の家を訪問し、経年劣化で損傷した箇所や意図的に破壊した箇所に対して、給付金の請求を行うよう契約者に指導します。

本来給付金を請求できない箇所を、巧妙に偽装して自然災害による被害に見せかけることで、不当に給付金を受け取ろうとするのです。こうした悪質業者が増えているので、保険会社側の警戒心が高まっており、給付金を支給するか否かの判断が、以前よりも厳しくなっていることが考えられます。

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火災保険でよくある不払い事例

火災保険でよくある不払い事例

具体的に給付金が支払われないよくある事例を知っておくと、適切な給付金請求を行いやすくなります。

そのため、ここからはよくある不払い事例を5つ説明します。

申請した箇所が明確でない

申請した箇所が明確に分かるようになっていないと、不払いになりやすいです。

損傷個所がはっきりしないと正確な審査を行えず、保険会社の担当者が給付金の給付対象かどうかを判断しにくいからです。

したがって、給付金の請求を行う際には、損害の状況が明確に分かるようにする必要があります。損害箇所の写真を様々な角度から複数枚撮影し、保険会社が確認できるようにしましょう。

ただ、損傷個所が屋根の上など写真撮影が困難な場合には、自分で撮影するのは危険性が高くオススメできません。リフォーム会社や工務店などの専門家に相談し、屋根の上の損傷個所を撮影してもらうといいでしょう。

経年劣化を申請する

家屋の経年劣化を申請することも、不払いに繋がります。火災保険は台風や水害といった、自然災害による損害を保障します。そのため経年劣化によってできた損傷について、給付金を請求すれば申請が通ることは無く断られます。

また、経年劣化を「自然災害による損害である」と虚偽申告することは、不正請求や詐欺と見なされる可能性があるので要注意です。

このような行為をした場合、給付金を受け取れないのはもちろん、保険会社から要注意人物として目をつけられたり、詐欺罪に問われたりする可能性も否定できません。

火災保険の免責条項

火災保険の免責条項

火災保険には免責事項が存在し、該当する場合には給付金が支払われることはありません。

免責事項の中には、以下のような内容が存在します。

  • 重大な過失・故意な損害・法令違反
  • 保険料支払いの前に起きた事故
  • 地震・津波・噴火

まず、保険契約者自身に重大な過失や法令違反があった場合、給付金が支払われることはありません。
たとえば、暖房を消さずに家を離れたり、鍋に火をかけたまま放置したりしたのが原因で、火事が発生した場合がこれに該当します。

この場合には、十分に予防が可能であり、火災保険の補償対象である「不測かつ突発的な事故」ではないことから、損害の原因が発覚すれば給付金の受取はできません。

他には、保険料を支払い期日までに納めていない状態や、火災保険の契約更新を行なっていない状態で事故が起こった場合も、給付金は支払われなくなってしまいます。

さらに、地震・津波・噴火による損害は、火災保険の補償範囲に含まれないため、給付金は支払われません。これらの被害に対する補償は地震保険に加入することで賄うことができます。

それ以外にも、保険会社によって、基本プランの補償範囲が違ったり、別途特約に入らなければ補償が受けられない場合もあるため、ご自身の契約内容を今一度確認しましょう。

被害の経緯が明確でない 

明確で無い被害経緯で申請した場合にも、火災保険の請求には通りにくいと言えます。
被害経緯がはっきりしないという状況は、過去に発生した災害による損失に対し、給付金を請求する際に起こりやすいです。

火災保険は保険法第95条第1項により、3年以内に起こった損傷に対して給付金を請求できます。3年を経過すると火災保険の請求権がなくなってしまうのです。また、3年以内であっても、被害から時間が経過していると、災害と損傷の因果関係を証明するのが難しくなり、審査に通りにくくなってしまうのです。

もちろん、正確な被害状況を保険会社に申請するのに加え、保険会社から問い合わせがあった際に明確な説明ができれば、審査通過の可能性は十分にあります。

とはいえ、現実的には時間が経過してしまうと、災害発生時の記憶は時間の経過とともに薄れるので、保険会社からの質問に対して曖昧な回答しかできないこともあるでしょう。

そのため、数年前の被害で火災保険の給付金を請求しても、被害の経緯が明確でないため給付金支給を断られてしまう可能性は高いと言えるのです。

顧客情報がブラック扱いになっている

保険会社内で、顧客情報がいわゆるブラックリスト入りになっている場合にも、火災保険給付金の審査に通りにくいです。

過去に保険会社に対して理不尽なクレームをつけたり、不正請求を行った場合、危険人物として認識されることとなります。

その場合、損傷個所に対して正当な給付金請求を行ったとしても、不正請求や詐欺を疑われてしまい火災保険の審査に時間がかかったり、通りにくくなってしまうのです。
保険会社からおかしな人物と疑われないようにするためには、保険会社の定めたルールを守り給付金の請求を行う必要があります。 

火災保険の不払い基準

火災保険の不払い基準

火災保険が不払いになるのは、家屋の損傷理由が経年劣化であったり、不正行為により破壊されたりした場合のみです。したがって、火災や自然災害による損傷であれば、不払いになることは考えにくいでしょう。

しかし、保険会社の判断基準の違いや、資金繰りの厳しさが原因で、給付金が支払われない可能性も無いわけではありません。そこで、ここからは給付金不払いの原因になりうる、保険会社の基準を紹介していきます。安全な保険会社を見極める上で非常に重要になるので、確認してみてください。

計測方法

火災保険の申請を行うと、損傷個所を確かめるために、保険会社から鑑定人が派遣されることがあります。

鑑定人とは事故の原因や調査を分析し、保険会社に調査結果を報告する専門家です。鑑定人はそれぞれの測定方法にしたがって家屋の調査を行いますが、鑑定人は保険会社から委託を受けて調査にくるため、必ずしも契約者の味方をしてくれるわけではありません。測定方法や基準によっては、鑑定人から「火災保険の給付金はおりない」などといった否定的な意見が出ることがありますが、被害箇所の入念な調査をお願いしましょう。

専門機関

保険会社を第三者機関が格付けしたランキング表を確認することも、保険会社の信用力を計る上で役にたちます。

格付けは正味損害率やソルベンシーマージン率などをもとに、AAAやAA、BBといった形で行われており、高く評価されている企業ほど、財務状況が健全で、トラブル時にきちんと給付金が支払われる可能性が高いです。

正味損害率

顧客から受け取った金額と給付金として支払った金額の比率を表すのが正味損害率です。

以下の計算式で正味損害率を求めることができます。

正味損害率

正味損害率=(正味支払い給付金+損害調査費)÷正味収入保険料×100

パーセンテージが高いほど、受け取った保険料に対して支払った金額が高いと判断でき、会社に残っている資金が少ない懸念があります。

反対に、正味損害率が低い保険会社は会社内部に残っている資金が多いので、いざという時に給付金の払い出しをする余力があると推定できます。したがって、正味損害率が低い保険会社を選択した方が、災害発生時に保険料が支払われる可能性が高いと言えるでしょう。

ソルベンシーマージン率

保険会社の支払い能力を示した数値のことを「ソルベンシーマージン率」と言います。ソルベンシーマージン率の数値が高いほど、給付金を支払う余裕があるということになります。

ソルベンシーマージン率が200%以上の場合、支払い能力が十分にあり、大災害が起こっても給付金が正常に支払われる可能性が高くなります。一方で、パーセンテージが低いのであれば、災害発生時に給付金が支払われないことが考えられるでしょう。

火災保険不払いランキング表

ネット上には、火災保険の会社の人気や評価をランキングにしたものが存在します。

ランキング上位の会社であれば、多くの方が給付金を受け取った実績があるため、正当な給付金が支払われる可能性が高いでしょう。一方で、ランキング表下位で評判の良くない保険会社の場合、不払いのリスクが高くなるかもしれません。

火災保険の不払いへの対処法

火災保険の不払いへの対処法

「正当な給付金請求を行ったにもかかわらず、給付金支給の審査に落ちてしまった」

このような場合、本来受給できるはずの給付金を受け取れなくなってしまい、困り果ててしまうかもしれません。もしも不払いが起こってしまった場合、いったいどのように対処すればいいのでしょうか?

再審査の要求

まずは、保険会社へ再審査を依頼しましょう。具体的には保険会社に支払い拒否が不服である旨を伝え、鑑定会社を変更しての再審査を求めるのです。

本来、鑑定会社は公平な目線で被害状況を判断し、給付金請求の可否を判断する立場です。
しかし、なかには保険会社が有利になるような判断を行う業者もあるようで、そのような業者が鑑定を行った場合には、公平な判断が下されているとは言えないでしょう。

したがって、審査内容がおかしいと感じる場合には、管理会社を変更しての再審により結論が変わることも考えられます。

お客様センター、弁護士に相談

続いて、お客様センターや弁護士に相談するのも、有効な手段と言えます。

保険会社ではほぼ例外なくお客様センターを設置しています。そちらに連絡し、なぜ給付金請求が却下されたのかの理由を確認するのです。その時点で、保険会社と明らかな主張の食い違いが見つかれば、相違点を説明し再審査を申し込むようにしましょう。

ただし、保険会社は専門知識を持っているので、論破されてしまい、いい結果が得られない可能性もあります。その場合には、お客様センターで言われた審査落ちの理由をメモしておき、弁護士などの専門家に相談するといいでしょう。

弁護士であれば、保険会社の主張が正当であるかどうかを判断し、専門知識を武器に保険会社と交渉できるからです。さらに、弁護士がいれば、場合によっては裁判を起こし保険会社と争うこともできます。

もしも、加入している保険に弁護士特約がついていれば、弁護士への相談や裁判の費用も給付金で賄える可能性があります。

ADRに相談する

ADR(裁判外紛争解決手続)に相談するのも、給付金不払いの際の有効な解決手段と言えます。保険会社とのトラブルの際に、ADRが間に入ることで合意による解決を支援する方法を指します。

火災保険請求時のトラブルの際には、日本損害保険協会が運営する「そんぽ ADRセンター」に相談できます。そんぽ ADRセンターには、様々な保険会社が加入しているため、専門家による客観的な意見を貰えるでしょう。

ちなみに、ADRは料金無料で相談でき、弁護士への相談とは違い費用がかかることは無いため、利用しやすいメリットがあります。

火災保険の不払いを予防する方法

火災保険の不払いを予防する方法

ここまで、給付金の不払いにあったらどのように行動するべきかについて、説明してきましたが、そもそも不払いされないためにはどうすればいいでしょうか?

それは、加入する火災保険の保険会社の正しい選択です。保険会社の選択を適切に行えば、いざというときに不払いに遭わず、適切な給付金を受給しやすくなり安心できます。そこでここからは、不払いされない火災保険会社の選び方を紹介します。

事前の情報収集

まずは火災保険加入前の事前の情報収集が非常に大切になります。

前もって保険会社について調べ、信頼できる保険会社を選んでおけば、いざというときにスムーズに給付金を受け取れる可能性が高くなるからです。

保険会社を選ぶ際には、保険料の値段や給付金の支払い力だけではなく、補償対象や補償内容を比較検討するようにしましょう。

さらに、ネット上の評判・口コミもしっかりと確認することをおすすめします。もしも、悪い口コミ・評判が多かったり、「払い渋りされた」という内容が目立ったりするようであれば、その保険会社は避けた方がいいでしょう。

保険切り替えの検討も

もしも、加入している保険会社の補償内容を確認した結果補償内容に不満を感じたり、ネット上に悪評が目立ったりするようであれば、保険の切り替えを検討するのもオススメです。

その際には、複数の保険会社の補償内容を確認した上で、複数の保険会社から見積もりを取ったうえで最終決定するようにしましょう。もちろん、ネット上の口コミ・評判がいい保険会社を選択すべきであることは言うまでもありません。

また、火災保険を途中解約した場合、支払った保険料が無駄になってしまうと心配かと思います。
しかし、未経過期間の保険料は払戻金として戻ってくるため、途中解約しても保険料が無駄になることはありません。新たに契約する保険の保険料に使うことができます。

火災保険申請・請求のサポートはプロレバにお任せください

申請箇所に対して給付金を受給できるかどうか心配であれば、ぜひプロレバにお問い合わせ下さい。

プロレバでは、建築のプロがご自宅に伺い、火災保険申請が可能な損傷箇所を発見します。調査から書類作成まで、トータルでサポートを受けられるため、火災保険申請に不慣れな方でも安心して利用できます。また、プロが正確に状況を判断するので、給付金が不払いになるリスクを抑えた火災保険の給付金請求が可能です。

さらに、素人では気が付かない些細な傷も含め、給付金請求が可能なあらゆる損傷箇所を発見するので、給付金受給額を最大化できます。

実際に、ご利用いただいた方の平均受給金額は102万円となっており、96%の方にご満足頂いています。手数料は一律28%(税抜)となっており、給付金の受給に成功した場合に限り、お支払い頂くことになります。

もしも、火災保険の申請が通らない場合には、手数料は1円も発生しませんので安心してご利用頂けるようになっています。

お問い合わせは完全無料となっており、メール・LINE・電話でのご相談を土日祝日も含めた24時間対応しています。相談だけでももちろん大歓迎ですので、ぜひ気軽にお問い合わせ下さいませ。

この記事を監修した弁護士

中野雅也弁護士

中野雅也 / 飯田橋法律事務所 代表弁護士

昭和58年1月  愛知県名古屋市生まれ
平成21年9月  司法試験合格
平成21年11月  最高裁判所司法研修所入所(63期)
平成22年12月 弁護士登録、東京弁護士会、登録番号42736 大江忠・田中豊法律事務所入所
令和2年7月    飯田橋法律事務所 設立
対外活動として、一般社団法人全国銀行協会あっせん委員会事務局付き弁護士に就任し、銀行と顧客との間での金融商品の販売等に関する紛争の調査を多数行ってきた。(平成29年4月~現任)
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