火災保険の風災・雹災・雪災で申請可能な例とは?補償の対象になる被害を詳しく解説!

火災保険の風災・雹災・雪災で 申請可能な例とは?

火災保険は火災による家屋や家財の被害以外にも、台風や雷、洪水などの自然災害にも適用されます。火災保険の給付金が発生した被害原因を調べても、実際に半数以上が風災・雹災・雪災などの自然災害によるものでした。

しかし、風災・雹災・雪災で発生した損傷の修理費用を火災保険でまかなえることを理解しないまま加入している人もいます。また、自然災害による損傷と経年劣化の識別が難しいことも申請のハードルを上げる要因になっています。

この記事では火災保険で申請可能な風災・雹災・雪災などの自然災害による被害例について詳しく解説し、給付金を請求する際の注意点をお伝えします。

目次

火災保険で申請可能な風災・雹災・雪災とは

火災保険で申請可能な風災・雹災・雪災とは

火災保険は火災による被害だけでなく台風や降雹、豪雪などの自然災害による家屋や家財の損害を補償します。大手保険会社の調査によると、2018〜2020年の家屋に発生した事故のうち約62%が風災・雹災・雪災が原因でした。

このように火災保険の申請は、火災よりも気象が原因で被害を受けたケースの方が多いのです。

火災保険の申請が可能な自然災害には、以下のものがあります。

  • 風災
  • 雹災
  • 雪災
  • 水災

これらの災害が、どのようなケースで火災保険の適用が受けられるのかについて解説します。

火災保険で申請可能な風災とは

台風や竜巻などの強風で家屋が破損した際に、原状回復の費用が火災保険で補償されます。火災保険の風災補償は、最大瞬間風速が20m/s以上の風で被害が発生したときに適用されます。

家屋に損傷があったとしても瞬間最大風速が20m/s以上であることを証明しないと、火災保険が認められないケースもあるため、自分の地域でどれくらいの風が吹いたかを調べる必要があります。気象庁「過去の気象データ検索」で確認が可能です。

過去の気象データ検索では、各都道府県にある観測地点を選択し、過去の日付を選択すると最大10分単位で最大瞬間風速の値が表示されます。

最大瞬間風速20m/s以上の風は、台風の暴風域に入っていなくても発生する可能性があり、春一番などの季節風による被害も風災補償の対象です。

また、竜巻は発達した積乱雲がもたらす上昇気流による強風で、局所的に発生し年間を通じて家屋に被害をもたらします。

これらの強風による被害は、火災保険の適用を受けられます。

火災保険で申請可能な雹災とは

雹災は積乱雲によって発生した直径5mmの氷の塊が空から落下し、家屋や車などに被害を与える災害です。

大きい粒ほど落下速度が速くなり、深刻な被害をもたらします。

雹の大きさ落下速度
直径5mm時速約36km
直径10mm時速約50km
直径50mm時速約115km
直径70mm時速約140km
参照:ウエザーニュース

雹は5〜6月、10月の春や秋に降る場合が多く、大きい塊だとゴルフボールから野球のボールほどの大きさになります。瓦や窓ガラスが割れたり、カーポートの屋根を貫通したりなどの被害をもたらします。

降雹によって家屋が損傷した場合も、火災保険の対象です。

火災保険で申請可能な雪災とは

火災保険で申請可能な風災・雹災・雪災とは

雪の重みで家の屋根やカーポートなどを押しつぶされる被害は、雪災補償で給付金の申請が可能です。また、雪崩が家屋や家財に被害を与えたケースでも補償されます。

内閣府の防災情報ページによると24都道府県・532市町村、日本国土の約半分が豪雪地帯に指定されています。

国土交通省が平成27年4月1日時点で、豪雪地帯・特別豪雪地帯に指定した道府県は、以下の通りです。

豪雪地帯・特別豪雪地帯の指定した道府県
北海道地方北海道
関東地方栃木県 / 群馬県
北陸地方新潟県 / 富山県 / 石川県 / 福井県
中部地方山梨県 / 長野県 / 岐阜県 / 静岡県
近畿地方滋賀県 / 京都府 / 兵庫県
中国地方鳥取県 / 島根県 / 岡山県 / 広島県

雪による被害は雪国だけのものだと思われがちですが、過去に​​​​関東地方でも雪災による家屋の半壊や一部損壊が起こっています。2014年2月に発生した関東地方の豪雪では、東京、神奈川、埼玉の南関東でも雪による被害が発生しました。

雪災補償は2階からの落雪により1階の屋根が破損する被害を補償しますが、隣家の屋根を破損させた場合は火災保険が適用されません。落雪による隣家への被害の賠償には、個人賠償責任保険への加入が必要です。

個人賠償責任保険とは、損害賠償責任を負った際に損害を補償する保険で、火災保険の特約として付帯できます。

また、近くの山で発生した雪崩で、家屋や家財にあった被害も火災保険で補償することができます。

火災保険で申請可能な雷災とは

雷による家屋や家財への被害は、給付金の申請が可能です。雷災補償は落雷で屋根に穴があいたり、直接落ちなくても異常電圧の発生で家電が故障したりしたなどの被害を補償します。

落雷は局所的に発生するため、申請には家屋や家電の損傷の原因が雷であることを証明する必要があります。

落雷の発生を証明する方法は、以下の通りです。

  • 気象庁が提供している観測情報
  • 民間気象会社が発行する落雷証明書
  • 電力会社の停電情報

雷による異常電圧が原因で破損したパソコンの修理費用は給付金の対象ですが、データの消失に関しては補償の対象外です。

雷の被害による火災保険の申請件数は、火災よりも多いため、決して他人事ではありません。

火災保険で申請可能な水災とは

洪水による家屋や家財への浸水や高潮、土砂崩れによる被害も火災保険の補償対象です。

水災補償は床上浸水のみを補償するもので、給付を受けるには以下の2条件を満たす必要があります。

  • 地盤面から45cm以上の浸水がある
  • 床面積の30%以上に損害が発生している

豪雨による洪水や雪解け水による融雪洪水は水災補償の対象で、風災や雪災の補償では給付を受けられないので注意してください。

火災保険で風災・雹災・雪災を申請方する方法

火災保険で風災・雹災・雪災を申請方する方法と例

風災・雹災・雪災などの自然災害による被害は、申請により火災保険の給付が受けられます。

火災保険の申請は煩雑で、専門知識がないと作成が難しい書類などもあるため、火災保険申請サポートなど、専門家の力を借りることをおすすめします。

提出書類に不備があると受理されず再提出が必要で、申請に手間取っていると被害が拡大してしまう恐れもあります。火災保険の申請をスムーズに行って、被害箇所を修理してください。

▼火災保険の申請方法についての詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。

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火災保険で申請可能な風災・雹災・雪災の事例

火災保険ので申請可能な風災・雹災・雪災の事例

一般的な火災保険には火災、風災、落雷補償が付帯されており、風災には雹や雪による被害も含まれているケースが多いです。

また、水災は火災保険によって基本プランに入っていないこともあり、補償を受けるには付帯が必要です。

さらに、家屋と家財の補償が別になっている場合があります。

火災保険は発生原因と被害内容によって対象となる補償が異なるため、自分の加入しているプランが給付を受けられるのか把握しなければいけません。

火災保険の風災で申請可能な事例

風災では台風や竜巻などの強風で、家屋や家財に発生した被害を補償します。

風災の申請例別補償内容
風災の申請例家屋のみの補償家財のみの補償家屋と家財の両方を補償
台風で棟板金が浮いた×
強風で瓦がズレた×
竜巻で屋根が破損した×
春一番などの季節風で物置が倒れた×
突風でカーポートの屋根が飛んだ×
台風で雨樋が変形した×
強風で庭木が倒壊した×
竜巻で車が破損した×××
台風で屋根が破損し家具屋家電が濡れた◯(屋根の破損を補償)◯(家具屋家電を補償)
台風で原付自転車が壊れた×

​​​

風災補償は台風や竜巻、季節風などの強風により破損した家屋の被害を保証します。敷地内にあるカーポートや倉庫、庭木も家屋の一部として風災補償の対象です。

雨樋の寿命は、一般的に20年程度といわれています。建築から20年以上経過した雨樋が自然災害によって損傷した場合は、経年劣化と判断されることもあります。

竜巻などの突風が原因であっても、車への被害は火災保険の対象外です。しかし、自転車や125cc以下の原付自転車は家財に分類されるため家財が補償される風災補償に加入している場合は給付金の申請が可能です。​​​​

▼火災保険の風災で申請可能な具体的な申請例については、以下の記事もご覧ください。

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火災保険の雹災で申請可能な事例

雹は大きいものになると直径5cmを超える塊が空から落下し、人や車、農作物などに大きな被害を与えます。

雹災の申請例別補償内容
雹災の申請例家屋のみを補償家財のみを補償家屋と家財の両方を補償
雹が屋根に当たり破損した×
雹がカーポートの屋根を突き破った×
雹が室内に吹き込み家具を破損した×
雹で車のボディがへこんだ×××

雹によるガラスへの被害は家屋、家具は家財を補償するプランへの加入が必要です。車の修理費用は、降雹が損傷の原因であっても車両保険が適用され火災保険では補償されません。

火災保険の雪災で申請可能な事例

雪災は雪の重みで屋根が押し潰されたり、雪崩で家屋が倒壊するなどの被害を補償します。

雪災の申請例別補償内容
雪災の申請例家屋のみを補償家財のみを補償家屋と家財の両方を補償
雪の重みで屋根が破損した×
雪崩が発生し家財ごと家がながされた×
2階からの落雪で1回の屋根が被害にあった×
隣家から落雪し屋根に穴が空いてしまった×××
大雪で物置が倒壊した×
カーポートの屋根に雪が積もり押し潰された×
雪の重みでカーポートが押し潰され車が傷がついた×××

雪災補償は雪の重み雪崩によって被害にあった家屋や家財を補償します。

しかし、隣家からの落雪で自宅が被害にあった場合は、火災保険に加入していても修理費用は補償されません。

▼火災保険の雪災で申請可能な具体的な申請例については、以下の記事もご覧ください。

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火災保険の雷災で申請可能な事例

火災保険の雷災で申請可能な事例

火災保険は落雷による家屋や家財の損害を補償します。雷が直接家屋に損傷を与える被害だけでなく、周辺に落ちて家電が破損した場合でも申請が可能です。

落雷により破損した家電の修理費用を火災保険で賄うには、家財を補償する保険への加入が必要です。また、一般的に家電といわれるものでも、火災保険において備え付けのものは家屋に分類されます。

雷災の申請例別補償内容
雷災の申請例家屋のみを補償家財のみを補償家屋と家財の両方を補償
雷が落ちて屋根が破損した×
雷で異常電圧が発生しテレビが映らなくなった×
落雷の影響でエアコンが動かなくなった×

エアコン、給湯器などは家に備え付けのものであるため、火災保険の家屋に分類されます。

一方、テレビやパソコンなどの持ち運び可能な電化製品は、雷災の家財を補償するプランへの加入が必要です。家財が補償される保険であっても、パソコンのデータの破損は補償の対象外です。

▼火災保険の雷災で申請可能な具体的な申請例については、以下の記事もご覧ください。

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火災保険の水災で申請可能な事例

水災は洪水や高潮、融雪洪水で浸水した家屋や家財を補償します。さらに、土砂崩れで家屋や家財がながされた被害でも、給付金を受けられます。

水災の申請例別補償内容
水災の申請例家屋のみを補償家財のみを補償家屋と家財の両方を補償
豪雨で川が氾濫し床上浸水した
土砂崩れで家屋が倒壊し家財ごとながされた
大雨で床下浸水した×××
津波で家がながされた×××
融雪洪水が発生し床上浸水した

床上浸水や土砂崩れで家屋と家財が被害にあった場合は、両方を補償するプランに加入する必要があります。

浸水被害であっても、床下浸水は水災補償で給付金を受け取れません。

また、雪解け水による融雪洪水は雪災補償ではなく、水災補償が適用されます。

火災保険申請のポイント

火災保険申請のポイント

火災保険に修理費用を申請する際、押さえておきたいポイントがあります。

  • 火災保険の契約には新価と時価がある
  • 火災保険は修理のあとでも申請が可能

火災保険の契約には新価と時価がある

保険会社が給付額を計算する際に使用する家屋の価値の評価には、契約によって新価と時価の2種類に別れます。

新価は再度同じ家屋を建てる際に必要な金額で、時価は新価から時間の経過によって減少した家屋の価値を差し引いた金額です。

時価で火災保険を契約している場合は、再調達価格である新価から経過年数に応じて減価額を差し引いて家屋を評価します。そのため、新しく建て直す際に給付金だけではカバーできないケースが発生する可能性があります。

現在の火災保険は新価での契約が一般的ですが、保険料自由化が始まる1998年以前の保険料率で契約している場合は注意が必要です。

修理のあとでも風災・雹災・雪災の申請が可能

風災で家屋が被害にあってしまい修理したあとでも、火災保険の申請は可能です。

修理後に火災保険を申請する理由には、以下のものがあります。

  • 自然災害が火災保険の給付金の対象であると知らなかった
  • 早急な修理が必要だった

このような理由で修理後に申請する場合でも、被災から3年以内の請求であれば給付金の受け取りは可能です。

ただし、修理後の申請には保険会社から追加で次の書類の提出をもとめられることがあります。

  • 被害箇所の修理前と修理後の写真
  • 修理会社の工事見積書

修理後の申請は時間が経過するほど審査の難易度は上がるので、なるべく早い請求をおすすめします。

まとめ

まとめ

火災保険は風災・雹災・雪災などの自然災害による家屋や家財の被害を広くカバーします。経年劣化による損傷は火災保険の対象外ですが、自然災害による被害との見極めは専門家でないと難しいケースが多いです。

そこでおすすめしたいのが、火災保険申請サポートです。

火災保険申請サポートは家屋と火災保険に精通した専門家が調査と見積もりを行うため、煩雑な申請行為をスムーズに進められるうえ、受け取れる給付金も最大化します。

プロレバは一級建築士や損害保険鑑定人、土地家屋調査士、プロの保険調査員などの家屋と火災保険のプロが給付金申請の調査や書類作成のお手伝いをいたします。また、警視庁のOBが代表を務め、弁護士に監修を依頼するなど法令を順守したサービスを行っています。

被害が風災などの自然災害によるものなのか、給付金が受け取れるか不安な方も、まずはメールかLINEでお気軽にご相談ください。

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